愛媛県松山市の中心市街地にある「瓢太(ひょうた)」で、愛媛県特有の甘い中華そばをいただきました。愛媛県ならではの甘い味付けや松山市のラーメン屋・うどん屋で提供される「おでん」といった愛媛県の食文化をご紹介します。
愛媛県独特の「甘い」味付け
愛媛県の中予地方に位置する松山市では、比較的「甘め」の味付けの料理が多いといわれています。特に「南に行くほど甘い」とされ、南予地方に近づくほど味付けが甘くなる傾向にあるようです。
愛媛県内のスーパーの調味料コーナーに並んでいる醤油は「甘口」や「うまくち」が多い印象があります。その理由として、愛媛県ではマダイやブリなど、甘めの醤油と相性の良い魚がよく獲れるためではないかという説があったり、豊後水道を挟んだ向かいの九州が、昔の海外との貿易で砂糖が手に入りやすかった、気温が高い地域では甘いものがおいしく感じられるなどの理由で甘い味付けが文化になっていることの影響を受けているなどともいわれます。
愛媛県外や特に関東から来た人は、愛媛県のうどんやラーメン、ミートソース、唐揚げなどの味付けが甘く感じることが多いそうで、地域の特徴的な食文化のひとつになっています。
甘いラーメンの代表格「瓢太」
松山市の中心市街地にある「瓢太(ひょうた)」は、甘い味つけの中華そばが有名で、松山市のご当地ラーメン的な位置づけになっている甘いラーメンを提供するお店の代表格といえます。
※お店のすぐ近くにある松山市を代表する観光名所である「松山城」「城山公園」について、以下リンクの記事で紹介されていますので、こちらもぜひご覧ください。
【松山城】全国屈指の複雑な造りと現存12天守のひとつである希少な連立式天守
【城山公園】史跡・松山城跡に広がる広大な市民の憩いの場で桜の名所
松山市駅から徒歩5分ほどの立地のため、出張のビジネスマンや観光客など愛媛県外から訪れた人も利用しやすく、店内には座敷席とカウンター席があるので、幅広い客層が訪れています。
瓢太の中華そばは、スープが白く濁っており、豚骨や味噌がベースのような色をしていますが、味は醤油ベースのあっさりしていて、甘みを感じるもののくどくないことが特徴です。提供されたときから胡椒がかかっており、スープの優しい甘さに胡椒がアクセントとなっていました。
スープよりもさらに上をいく甘さで驚いたのが、麺の上にのっている分厚いチャーシューです。口に入れた瞬間、違うものを食べたのかと思うほどの甘さに衝撃を受けましたが、クセになる味でした。おはしでほぐせるような柔らかさなので一気に食べてしまわずに、麺やスープとあわせて少しずつ食べ進めることをおすすめします。
松山市のラーメン屋・うどん屋の定番「おでん」
松山市内のうどん屋やラーメン屋では、年中おでんが提供されていることが多く、これも地域の食文化のひとつです。店によって提供方法は異なりますが、セルフサービスで1本いくらといった料金設定にしている店が多数派の印象です。メインで注文したラーメンやうどんが出てくるまで、おでんを食べて待つのが、松山市内のお店ではよく見られる定番の風景といえます。
おでんを食べるときは、全国的には一般的なからしをつけるのではなく、おでん用のからし味噌をつけて食べるのも独特です。そのからし味噌も実は「甘い」のが特徴で、おでんを提供している店には高確率でからし味噌もセットで置いてあるので、気にしてみてください。
瓢太のおでんは、セルフサービスではなく注文して店員さんに取ってもらう形式です。カウンターに着席すると、おでん鍋が目の前にあるため、大量のおでんが視界に飛び込んできました。私は当初、中華そばだけを食べるつもりでしたが、おいしそうなおでんを目の前にすると、つい注文してしまいました。
おでん自体の味付けはそれほど甘くなく、あっさりとした出汁の味がしました。瓢太は、おでん用のからし味噌が各席に置いてあるので、おでんがのったお皿に自分でからし味噌をよそっておでんにつけます。甘辛いからし味噌とあっさりしたおでんの味がよくマッチしていました。
愛媛県の特徴的な食文化である甘い味付けと、ご当地ラーメン的な位置づけになっている甘いラーメンの代表格「瓢太」をご紹介しました。
遍路道中では、その土地ならではの食文化や料理に出会うことができるのも遍路の魅力のひとつです。普段は食べないようなメニューでも、その地域ならではの体験としてぜひ挑戦してみてください。
店舗名 | 瓢太(ひょうた) |
住所 | 愛媛県松山市三番町6丁目1-10 |
電話 | 089-931-5133 |
営業時間 | 11:30〜14:00、18:00〜23:00 日曜定休 |