【清水湯】高知城のすぐ近くにあるノスタルジックな雰囲気を感じられる老舗銭湯

高知城のすぐ近くの路地裏に、昭和時代のノスタルジックな雰囲気を感じさせる老舗銭湯「清水湯」があります。地元の高知市民に長く愛される公衆浴場を、高知城や城下町の歴史とあわせてご紹介します。

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高知市中心市街地の路地裏にある老舗銭湯「清水湯」

順打ちで30番札所善楽寺を打ち終え、31番札所竹林寺に向かうエリアは、高知市の中心市街地で、宿泊施設や飲食店がたくさんあるので、ここでしばらく滞在し、宿泊や休憩、観光を楽しむお遍路さんも多いと思います。

高知県高知市の中心市街地には、帯屋町というアーケード商店街や、観光名所にもなっているフードコート型施設「ひろめ市場」をはじめ多くの飲食店が立ち並びます。このエリアでシンボル的な存在なのが「高知城」です。江戸時代初期に山内一豊によって建造された高知城は、その後複数回の改築を繰り返しながら、その姿を現代にものこしています。
そんな高知城がすぐ近くの、かつては城下町として栄えたであろうエリア、現在は静かな住宅地に創業70年をこえる老舗銭湯「清水湯(しみずゆ)」があります。

清水湯_外観

昔の銭湯ってこんな感じだったよなという雰囲気そのままの清水湯。

清水湯の立地は、高知城が目の前で、にぎやかな繁華街とそれほど距離は離れていないのですが、ひっそりとした路地裏にあるので、とても静かな環境です。街中の銭湯には珍しく、駐車場も完備なので、お遍路道中に立ち寄って汗を流していくのにも便利だと思います。周辺は細い路地で、一方通行の道もあるエリアなので、車で訪れる際は地図でよく確認し、注意しながら走行してください。

清水湯_路地

住宅街にひっそりとあり、施設の前の道は一方通行でもあるので、車で訪問の際にはご注意ください。

 

昭和時代のノスタルジックな雰囲気を感じながらリラックス

清水湯は、創業70年をこえる老舗で、昔から高知市街地に住んでいる地元住民には名の知れた銭湯です。
施設に入ると、まず靴を入れるロッカーがあり、番頭さんに入浴料を払って男女の入口がわかれる典型的な昔の銭湯スタイルです。脱衣場のロッカーは鍵付きなので、荷物がいろいろある旅行者にも安心でしょう。
浴室は真ん中に大きな湯船がひとつあり、中で仕切られています。奥には薬草風呂もあり、周りにはシャワー付きの洗い場があります。サウナも設置されていて、昔ながらの銭湯の中では、設備が充実していると思います。
なお、銭湯(公衆浴場)なので、シャンプーや石鹸は常備されていませんので、持参するか、入浴前に番頭さんから購入してください。

清水湯_入口

歴史ある施設ですが、清潔に保たれていて、お客さんにしっかりと心配りをしながら運営されている印象です。

高知市中心市街地には、かつてはかなりの軒数の銭湯があったそうですが、時代や住居環境の変化により減少し、2023年6月現在では高知市内全域で清水湯を含め5軒を残すのみとなっています。しかし、昭和時代のノスタルジックな雰囲気を感じられる銭湯の人気は根強く、遠方まで出かける銭湯ファンもいます。
※高知市内の銭湯は、以下リンクの記事でもご紹介していますので、こちらもぜひご覧ください。

【高砂湯】高知市中心部にある昭和レトロな公衆浴場の雰囲気を味わうことができる銭湯

【土佐温泉】高知市街地南部にある地域の人の生活感を感じることができるレトロ銭湯

ここ清水湯は、高知市中心市街地にありながら、ここだけが時代が止まったような昔ながらの雰囲気が感じられ、地下水を使ったお湯で、季節ごとの演出もあったりして、純粋にお風呂としてみたときにもとてもリラックスできるおすすめの入浴施設で、わざわざ立ち寄る価値もあると思いますので、お遍路さんにもぜひ訪れていただきたいと思います。

 

現存12天守のひとつ「高知城」と城下町の歴史

ここで、清水湯のすぐ近くにある高知城とその周辺の歴史にもふれておきたいと思います。
高知城は、全国に12城ある天守が現存する城のうちのひとつで、四国内には香川県の丸亀城、愛媛県の松山城と宇和島城もあります。

高知城_夜景

ライトアップされた高知城は、お淑やかでありながら風格も感じさせます。

平野部から少し盛り上がった丘陵状の大高坂山の上に築かれた平山城で、南北を流れる川を外堀として活用しています。天守閣まで登ることができ、周辺の高知市街地はもちろん、北方向の四国山地も一望できますので、立派な石垣があって登るのには一苦労ではありますが、ぜひ訪れてみていただきたいです。

高知城_門_石垣

難攻不落の高知城は、石垣や門が堅牢で傾斜もあり、登るのに苦労します。

高知城_天守閣

天守閣まで登れば、高知市中心市街地を一望できます。

高知城の周辺は昔から格式が高い土地とされ、特に高知城から南方向の海側へ向かって少しずつ標高が下がっているので、江戸時代では身分が高い人がお城の周辺に住み、現在のはりまや橋付近から東側の標高が低い土地には身分が低い人が住んでいたとされています。
ご紹介した清水湯は高知城の西側に位置し、江戸時代であれば、高知の中でも格が高いとされていた土地にあたり、周辺には上町というかつての格式を示す地名ものこっています。

江戸時代には、高知県では武士の中でも明確な身分の差があったそうで、「上士(じょうし)」と「下士(かし)」という名称も存在したとのこと。これは武士の中の上下関係を意味し、下士は上士に絶対的に逆らえないという暗黙の了解もあったようです。上士が通る際には下士は土下座をしないといけなかったということが、高知県出身の偉人・坂本龍馬を描いた本やドラマなどでも表現されています。

清水湯を訪れた際には、高知城や城下町の歴史も意識してみると、街や風景の見え方が少し違って新しい発見があるかもしれません。

 

清水湯は高知城下町にひっそりと佇むノスタルジックな雰囲気の老舗銭湯でした。お遍路道中で、高知市中心市街地で宿泊や飲食、観光をされるお遍路さんも多いと思いますので、歴史を感じる立ち寄りスポットのひとつとしておすすめします。

 

施設名 清水湯(しみずゆ)
住所 高知県高知市桜馬場6-8
電話 088-873-0050
営業時間 14:30~23:00
火曜、第3月曜定休
ホームページ https://peraichi.com/landing_pages/view/shimizuyu

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この記事を書いた人

人気テレビ番組「水曜どうでしょう」に憧れて東京から四国へ移住。主に四国の観光に関する記事を多数執筆しているライター。最近では、四国に長く住んでいる人よりも四国を知っている移住者と言われることも。