【大塚国際美術館】西洋名画の複製が展示されている日本最大級の陶板名画美術館

徳島県鳴門市の鳴門海峡が間近に迫る場所に、日本最大級の常設展示スペースを誇る「大塚国際美術館」があります。西洋名画1000点余を実物大で陶板に複製した展示品の数々は一見の価値があり、お遍路さんの立ち寄りにもおすすめです。

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四国八十八ヶ所霊場巡礼の起点・鳴門市の沿岸部にある「大塚国際美術館」

徳島県鳴門市には、四国八十八ヶ所霊場の1番礼所霊山寺があり、順打ちで八十八ヶ所を巡礼する場合は起点となります。江戸時代には、関西方面から船で四国に渡ってきたお遍路さんが、鳴門海峡近くの撫養(むや)港に着き、1番札所霊山寺を目指して撫養街道を西進していました。

現代では、関西から明石海峡大橋を渡り、淡路島を経由して、大鳴門橋で鳴門海峡を渡って陸路で四国に入るルートもでき、鳴門市は今も昔も関西方面から四国に上陸する玄関口になっています。

鳴門海峡は、瀬戸内海と紀伊水道が交わる地点で、海流が激しいことで有名で、海流がぶつかりあって渦を巻く「渦潮(うずしお)」が観光名所にもなっています。

そんな四国の玄関口で観光名所でもある鳴門市の沿岸部にあるのが、日本最大級の常設展示スペースを誇る「大塚国際美術館」です。
関西方面からアクセスしやすく、鳴門海峡の観光ついでにも立ち寄りやすく、順打ち巡礼のスタート前や、八十八ヶ所を打ち終わって高野山など関西方面に向かう途中に訪れるのに便利な立地なので、お遍路さんにもおすすめの美術館です。

大塚国際美術館_鳴門海峡

大塚国際美術館は、鳴門海峡が目の前の風光明媚な場所にあります。

 

大塚製薬と大塚国際美術館

美術館の名前に「大塚」と入っていますが、これは大塚製薬株式会社と関係しています。大塚製薬といえば、有名な商品として「ポカリスエット」「オロナミンC」「カロリーメイト」などがあり、グループ会社では世界初の市販用レトルトカレー「ボンカレー」など、生活に密着した商品を展開し、もちろん様々な薬品を開発・販売している会社です。
この大塚製薬は1921年に徳島県鳴門市で「大塚製薬工業部」として設立されたのが始まりで、現在では本社は東京都にありますが、今でも多くの工場や研究機関が鳴門市内をはじめとした徳島県内にあり、所縁が深い企業です。
この大塚グループが75周年を記念して、1998年に開館したのが大塚国際美術館です。

 

陶板に複製された西洋名画の数々

大塚国際美術館は地下5階、地上3階の巨大な建物で、常設展示スペースが延床面積約30,000㎡ある日本最大級の美術館です。外観からもその巨大さはわかるのですが、館内に入ると外観以上に広くて奥行きがあることが実感できます。

大塚国際美術館では、世界26ヶ国、190余の美術館が所蔵する現代絵画から西洋名画まで約1,000点を陶板に同じ大きさで複製したものが展示されています。特殊技術で制作された陶板のレプリカは、約2,000年ほど劣化せずにそのままの色と姿が残るそうで、原画が持つ本来の美術的価値を1ヶ所で真に味わうことができるのが特徴です。
急いで見てまわっても、最低でも2時間はかかるぐらいの広さ、展示品の豊富さで、私は3時間ほどで全部見る計画をしていましたが、実際はまるまる半日ほどかかりました。

近年では、徳島県出身の歌手・米津玄師さんがNHK紅白歌合戦で、大塚国際美術館でlemonを歌い、ファンの聖地にもなっています。

大塚国際美術館_入口エスカレーター

地下5階が入口になっていて、入口からエスカレーターを登って館内に入っていく形になります。

 

誰もが知る名画の迫力

どのような展示物があるのか、一部を紹介していきたいと思います。

まず、館内入口から長いエスカレーターを降りると正面に見えてくるのが「システィーナ礼拝堂天井画および壁画」です。この場所では、最初のオリエンテーションが行われ、館内の巡り方やどのように楽しめばいいのか見所を知ることができます。館内は広くて多くの作品がありますので、その中でも注目の作品をわかりやすく教えてくれます。初めて訪れる人はオリエンテーションに参加することをおすすめします。

大塚国際美術館_システィーナ礼拝堂天井画

システィーナ礼拝堂天井画は大迫力です。

館内には学生時代に美術の教科書に載っていた誰もが記憶にあるであろう「ひまわり」や「ムンクの叫び」から、レオナルド・ダ・ヴィンチやフェルメールなど多数の画家の作品が展示されています。
館内は各エリアで、時代やテーマが設定されて展示されているので、自分が興味のあるエリアを重点的に巡るのもいいでしょう。小学校や中学校で習う絵画が実物に近い迫力を感じる状態で展示されているので、子どもの勉強にもうってつけです。

大塚国際美術館_展示室

展示方法もテーマに沿って工夫されていて、空間としてもアートを感じられます。

それぞれの絵画の実物を鑑賞しようと思ったら、いろいろな国を巡る長距離移動が必要なので、一生かかっても出会いきれない美術品をひとところで鑑賞できることはたいへん価値があります。

 

お遍路道中では多くの寺院を訪れ、東洋美術や日本古来の伝統的な建築物などに出会うことができるある意味アートの旅でもありますが、せっかく四国を訪れたなら大塚国際美術館で西洋美術のすばらしさにも触れてみていただきたいと思います。

 

【「大塚国際美術館」 地図】

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この記事を書いた人

人気テレビ番組「水曜どうでしょう」に憧れて東京から四国へ移住。主に四国の観光に関する記事を多数執筆しているライター。最近では、四国に長く住んでいる人よりも四国を知っている移住者と言われることも。