高知市内の老舗のゲストハウスとして知られる「かつおゲストハウス」。土佐一宮「土佐神社」と30番札所善楽寺に近く、高知観光にも好立地。アートと遊び心に満ちた楽しい宿です。
「高知案内のプロ」が運営するゲストハウス
お遍路さんが泊まる宿の歴史やオーナーの思いについてインタビューする遍路宿紹介シリーズ。今回は高知県高知市にある「かつおゲストハウス」さんにお邪魔しました。
かつおゲストハウスは2012年に開業したゲストハウスで、現在では高知市内で最古参となった老舗です。高知駅から徒歩12分、土佐一宮「土佐神社」および30番札所善楽寺へは3.5kmという便利な立地で、アートと遊び心に満ちた楽しい宿です。
お話をうかがったのは、オーナーの前田真希さん。「高知案内のプロ」を自称する彼女に、宿のことやお遍路さんのことなどを聞きました。
地元タウン誌の副編集長からゲストハウスオーナーへ
真希さんは、地元高知のタウン誌で副編集長をしていた経歴の持ち主。高知の隅々まで取材にまわり、その魅力を知り尽くした人物です。
もともとは高知への思い入れが強いわけではなかったという真希さんですが、学生時代に世界中を旅した結果、「高知には世界に負けない綺麗な海や川、自然、美味しいお酒とご飯がある。しかも安全!」と高知の素晴らしさを再発見。「高知のファンを増やすこと」をスローガンに、魅力発信の場としてゲストハウスをはじめたそうです。
地元アーティスト20名によるゲストハウスづくり
かつおゲストハウスは2棟あり、一つは真希さんの祖父が住んでいた家を改装した別館で、もう一つは2018年に新設された本館。どちらも一歩足を踏み入れば、独自の世界観が来訪者の目を楽しませまてくれます。
2012年の開業時にできた「別館」は、高知在住の作家やアーティスト総勢20名が、内装・オブジェを手がけた力作。それも全て、真希さんがタウン誌の仕事をしていたときに知り合った作家たちとのこと。部屋のテーマだけ決めて、あとはみんなに好きに作ってもらったそうです。
本館の方も、手書きのかつおロールカーテン、階段下のキッズスペース、カツオのかぶりものなど、遊び心でいっぱい。見所がたくさんあるので、視線が落ち着きません(笑)。
かつおゲストハウスに泊まるお遍路さんの特徴
つい内装に目を奪われるのを自制しつつ、宿に来るお遍路さんについて真希さんにお聞きします。
「かつおゲストハウスに泊まるお遍路さんは、宿泊者全体の1割に満たない程度。歩き遍路より車遍路、日本人より外国人(ヨーロッパ系)が多いです。あと、お遍路さんが泊まると、自然と他のゲストに遍路カルチャーが伝わっていくみたいで、若い人が四国遍路を知るきっかけになったりします。(真希さん)。」
また、立地が街中で周辺に病院が充実していることから、足の故障などがあった場合2〜3日滞在して療養する人もいるそうです。
「天候の具合をみて、ここで長めに滞在するお遍路さんはいます。しばらく滞在すると里心がつくのか、高知駅から帰ってしまう人もいますね。」
遍路ころがしで知られる12番札所焼山寺が、お遍路さんの最初のリタイアポイントと聞くこともありますが、意外と高知市も旅の分岐点なのかもしれません。
高知を愛する人、ユニーク人が集まる宿
お遍路さんの話のあとはユニークな宿泊客のお話が続きます。
「四国遍路ではないですが『参勤交代の道』を歩いている人もいました。土佐藩の参勤交代の道=龍馬が上京した道を辿るといって、2人組の男性が江戸時代の旅の格好をして泊まっていきました。」
取材した日も「10円でなんでもやります」という男性が全国行脚の旅で滞在中で、なにやら「かつおゲストハウス」には個性的な人が集まる引力があるかのようです。
時にはノープランで来る旅人の旅行計画を一緒に考えたり、移住の相談に乗ることもあるという真希さん。オープンでフランク、そしてどっしりした頼もしさがある真希さんの「かつおゲストハウス」は、高知を愛する人、ユニークな人を惹きつける楽しくて深みのある宿です。
【「かつおゲストハウス」 基礎情報】
名 称 | かつおゲストハウス |
宿の形態 | ゲストハウス |
住所 | 高知県高知市比島町4丁目7-28 |
「かつおゲストハウス」の詳細情報とご予約はこちらから↓
四国宿泊予約サイト「お遍路さん家」【かつおゲストハウス】
「高知を好きになってもらって、移住する人が増えてほしい」という真希さん。スタッフとして働いた後に移住する例もあるそうで、まさに「高知の大使」的存在です。高知の魅力を知りたい人は、一度は訪れてほしい宿です。