高知県東部の中心都市、安芸市にある「Hostel 東風ノ家」は、180坪もの敷地を持つ古民家をリノベーションしたゲストハウスです。ライターでもあるオーナーがディープな東高知の魅力を発信しています。
安芸の中心部にある古民家ゲストハウス
お遍路さんが泊まる宿の歴史やオーナーの思いについてインタビューする遍路宿紹介シリーズ。今回は高知県安芸市にある「Hostel 東風ノ家(こちのや)」さんにお邪魔しました。
東風ノ家は2020年9月に開業した古民家リノベーション型ゲストハウス。高知県東部の中心都市、安芸市の中心部にあって、遍路道からもアクセスしやすい立地です。
お話は、東風ノ家オーナーでライターでもある仙頭杏美(せんとうあずみ)さんにお聞きしました。
自分のやりたいことを実現する「宿」という選択
仙頭さんは安芸市西部の赤野のご出身。進学先は東京でしたが、インターンシップで入った高知の新聞社で地元の頑張る姿を知り「地元の人にこそ、高知のことを知ってもらいたい、高知を応援したい」と卒業後に帰郷します。高知のデザイン会社に入社しライター業を務めるかたわら、まちづくり計画やコンサルティングなどの業務にも参加。仕事を通じて高知を深く知ることとなり、ますます高知が好きになっていったそうです。
「高知を伝える」ことがライフワークになっていった仙頭さん。次第に「一方向的な情報発信」に疑問を感じ、自身のスタイルを模索するようになります。2016年にフリーランスなった後も試行錯誤を続け、最終的に「ゲストハウス経営」という夢を持つに至りました。
「当時、高知市内にあるゲストハウス併設のシェアハウスに住んでいたのですが、国内外の旅行者と話す機会も多く、対話を通じて高知の魅力を伝えられることが喜びでした。その時の経験から、自分の好きな高知を伝える現場として、ゲストハウスが合ってると感じたのです。(仙頭さん)」
「自分のやりたいことを実現できるのが『宿』」と思い至った仙頭さん。自身の出身地である安芸に拠点をかまえ、宿の開業へと歩みを進めていきました。
昭和モダンが息づく、築80年の邸宅
東風ノ家となった古民家は、昭和12年建設のもの。もともとは高知県初の機械製糸工場を営んでいた多田家の邸宅で、近年では学習塾としても使われていたそうです。その家が空き家になっていることを友人から聞いた仙頭さんは、ゲストハウスとしての利用について家主に相談。家主側からも「空き家のままにするよりは使って欲しい」と話が進んでいきました。
今では珍しい木製の窓枠や凝った造りの欄間、群青色のしっくい壁など、昭和初期の建築様式が随所にみられます。建物目的で古民家愛好家が泊まりに来ることもあるそうで、建築物としても見所の多いゲストハウスです。
東風ノ家の利用方法、その展開について
東風ノ家に泊まるお遍路さんについて聞きましたが、オープンして間もないこともあり、若い人、バイク遍路の人がポツポツと来る程度なのだとか。ただ、遍路道沿いの便利な場所にあるので、将来を見据えて四国遍路について勉強中とのこと。
そのほか、古民家のロケーションをいかして、コスプレ撮影会が開催されたり、ワーケーションで長期滞在する学生がいたりと、利用のされかたは様々。帰省や飲み会の帰りに泊まっていくなど、安芸市中心部の便利な立地から気軽に利用する人も増えているようです。
また、宿泊客や地元住民の交流の場として「Cafe&Ber週末夜こち」が開催されたり、地元大学生と一緒に柚子を使ったワークショップを企画したりと東風ノ家を舞台とした様々なイベントも展開中。「この安芸の街で、新しいことが生まれる流れを育てていきたい」という仙頭さんの活動に期待が高まります。
【「Hostel 東風ノ家」 基礎情報】
名 称 | Hostel 東風ノ家(こちのや) |
宿の形態 | ゲストハウス |
住所 | 高知県安芸市矢ノ丸1丁目9-28 |
「Hostel 東風ノ家」の詳細情報とご予約はこちらから↓
四国宿泊予約サイト「お遍路さん家」【Hostel 東風ノ家】
「古民家でのんびりくつろいで、安芸の街並みやおいしいものを楽しんでもらいたい。」と仙頭さん。安芸の魅力的な場所や人、美味しいお店などを教えてもらえるので、ぜひいろいろ質問してディープな東高知の魅力に触れて欲しいと思います。