【高知県安芸市の食文化】特産品の「しらす」を生産地の目の前でいただく

高知県安芸市といえばしらすである。しらすの干場を訪れたり、まさにローカルフードである釜揚げちりめん(しらす)がたっぷり載ったしらす丼をいただいてみた。

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しらすの干場とはちきんおばあちゃん達

自転車遍路 安芸の浜辺でしらす干し

安芸市の浜辺で干されているしらす

安芸市といえば、しらすとしらす丼が名物のひとつだ。釜揚げする前の状態を土佐弁ではドロメと呼び、安芸市の海岸で毎朝水揚げされる。早朝6時頃、海岸へ行けばドロメを獲っている漁師さんたちの姿を見ることができる。その後、水揚げされたものが浜辺の加工場で釜揚げされ、釜揚げ後の9時頃からしらすを干している風景に出会うことができる。
ミニベロをこいで安芸市に到着した日の夕方から夜にかけて周辺を散策し、しらすを干す場所を見つけた。もしかすると作業風景が見れるかもしれないと次の日朝から出かけていってみると、案の定地元のおばあちゃん達がふたりで干してる姿に出会うことができた。
土地の文化を知りたくなり、作業の合間ではあったがせっかくなので少し話しかけてみた。しらすはすぐそこの海で漁獲後、綺麗に洗ってからゆでる、ゆでたしらすはその日の天気や気温によって当日干すかどうかを決める、などなど、しらす干しの方法について親切にたくさん教えてくれた。しらすと他の魚をネットに広げて淡々と日干し作業をするおばあちゃんふたりの姿に感動した。これがいわゆる「はちきん」と呼ばれる、高知の強い女の生きる姿なのだろう。

 

しらす丼を食す

自転車遍路 安芸のしらす定食

ドロメものったしらす丼にカツオのたたきは癖になりそう。

朝にしらすを干しているのをこの目で見てしまったら、もちろんその後は実際に食してみなければなんのために旅をしているのかわからない。町中から少し離れた有名なしらす丼のお店「安芸しらす食堂」をおすすめされたため、そちらへ行ってみることにした。しらすの加工場の隣に位置されてるため、新鮮なしらすを食べることができる。お店の開店時刻は11時から。私は旅の前に少し遅い朝ごはんとして行くことになったが、ここを訪れているのであれば一度は食べた方がいい。というか、食べないというオプションは想像できない。
お店に着いたら店員さんが「いらっしゃいじゃこ!」と明るく呼んでくれた。面白い。お店の窓側のカウンターに座って海を眺めながら、目の前の海が与えてくれた恵である海鮮料理を食べることができるのはそれだけで最高の贅沢だ。

メニューはしらす丼がメインで、その他にしらすとドロメ(生しらす)が両方乗っている定食に刺し身を付けることもできるし、しらす以外の日替わりメニューや単品メニューもある。今回食べたのは半々丼の刺し身定食。とろとろのドロメと釜揚げしらすのふわっとした食感の絶妙なコンビネーションがたまらない。これは間違いなく癖になりそう。横に添えられて来たカツオのたたきも高知ならではで分厚く、とてもボリューミーな定食だった。
丼の上にはこちらも高知名物の素揚げのなすが載っかっており、しらすの下に隠れたご飯の上にはごまが振りかけられている。これら全ての組み合わせが奏でる味は、まさにここでしか味わえない絶品料理で美味しいの極み。ポン酢とゆず酢を少々、追加でしらす丼の上にかけることができ、いろんな組み合わせで違う味をくまなく楽しめることができる。お店の店員さんたちもとても親切で、メニューや定食の食べ方まで丁寧に説明してくれた。
食事が終わってお会計の際に、今度は「ありがとうじゃこ」と言ってくれる。とてもとても楽しい環境で地元のローカルフードを味わえるまさに特別な体験のひとつとなった。安芸市を訪れる人たちには、ぜひとも一度は訪れてみてほしい場所だ。

 

店名:  安芸しらす食堂 (株式会社安芸水産)
営業時間: 11:00~16:00 ※ラストオーダー15:30
定休日: 木曜
住所: 高知県安芸市西浜3411-46
電話: 0887-34-8810
店HP: http://akisuisan.com/restaurant.html

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この記事を書いた人

兵庫県出身で、5歳の時に英国に移住し、2017年より京都を拠点に活動している。訪日外国人対象のツーリストガイド、大手インバウンド旅行会社の運営マネージャーなど、いろいろな観光サービスに従事し、すべての観光客が、本物の日本文化に触れ、特に美しい自然を体験してくれることを望む。