銀河鉄道999始発駅の街「新谷」。新谷駅から延びる999通りを進んで行くと、道の突き当りに保育所・小学校が現れます。どちらも屋根に時計台を模した造りで、このデザインは銀河鉄道999に何か関係がありそうです。
新谷地域と銀河鉄道999の関連は、以下リンクの記事でもご紹介しています。
【43番札所明石寺→44番札所大寶寺】有名SF漫画の原案が生まれた街「新谷(にいや)」
—– 記事に登場する主な地名・単語
新谷(にいや)
大洲市(おおずし)
銀河鉄道999(ぎんがてつどうすりーないん)
神南山(かんなんざん)
—– 記事に登場する人物
松本零士(まつもとれいじ / 1938~)… 漫画家。福岡県生まれ。幼少期に新谷での疎開を体験。
楠本高子(くすもとたかこ / 1852~1938)… 楠本イネの娘、シーボルトの孫。メーテルのモデルになったとされる人物。
シーボルト(しーぼると / 1796~1866)… 医師・生物学者。蘭学者でもあるがドイツ人。長崎に鳴滝塾を設立して弟子の育成に努めたほか、娘・イネの父親となった。
二宮敬作(にのみやけいさく / 1804~1862)… 鳴滝塾における門下生。シーボルトが国外追放になった後、彼の娘であるイネを義育した。愛媛県生まれ。
三瀬諸淵(みせもろぶち / 1839~1877)… 二宮敬作の弟子で、医師。大阪大学医学部の前身である大阪医学校の設立に携わる。楠本高子の最初の結婚相手。大洲出身。
新谷小学校の外観
大洲市立新谷小学校。平成24年(2012)に完成した新しい木造(一部鉄筋コンクリート)校舎。
小学校・手前の保育所と共通する形状として、校舎中央の時計台が挙げられる。
かつての国鉄内子線・新谷駅は、このような時計台を備える駅舎だったという。そんな立派な駅舎と機関車が走る様子を目にした松本零士氏は、後年「銀河鉄道999」を描く大きなヒントとなったことを語っている。
私自身、旧新谷駅を見たことがあるわけではなく、かつての駅が校舎のモデルになった話は伝え聞きによるもの。
ただ、松本零士氏が疎開時の1~2年生を新谷小学校に通われていたようなので、そんな繋がりがあれば素敵な話だなあ、と思うわけです。
大洲ゆかりのメーテル
校門の前にはメーテル像。
メーテルのモデルになったとされる楠本高子の結婚相手である三瀬諸淵は現在の大洲市出身。自身は二宮敬作の弟子で、国外追放を解かれ再来日したシーボルトに師事。医学を学んでいる。
楠本高子自身、大洲に暮らしたこともあるようなので、メーテルに姿を変えて里帰りした、と取ることもできます。
松本零士氏の新谷に対する想い
新谷小学校内には、その縁から松本零士氏による銀河鉄道999の壁画が寄贈されている。
絵には、
作中の登場人物たちに 松本零士氏が疎開時に見た新谷の風景と背後の神南山の山並み、そこを走る機関車…
大人になると一度は必ず故郷を離れる時がやってくるが、自分が生まれ育った郷土を大切にして欲しい
そんな願いが込められているそうです。
この壁画は、事前に学校に問い合わせてタイミングが合えば見学することができるようです。
この時は早朝の訪問だったので残念ながら見れませんでしたが、遍路道中に四国発の有名作品やゆかりのエピソードに触れてみるのもよいのではないでしょうか。
※新谷地域の成り立ちや歴史に関して、以下リンクの記事に続きます。
【新谷藩陣屋跡・金蔵跡】お城は無いけれど大名が居たことを示す遺構
【「新谷小学校」 地図】