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愛媛県大洲市東部の新谷地区、近くには番外霊場である十夜ヶ橋。
四国八十八ヶ所霊場巡礼では43番明石寺から44番大寶寺へ向かう道中に、ひときわ目を引く大きな看板があります。

銀河鉄道999始発駅の大きな看板

銀河鉄道999と言えば有名なSF漫画ですが、その始発駅とはどういうことでしょうか。

—– 記事に登場する主な地名・単語
新谷(にいや)
大洲市(おおずし)
宇宙戦艦ヤマト(うちゅうせんかんやまと)
銀河鉄道999(ぎんがてつどうすりーないん)
鳴滝塾(なるたきじゅく)
矢落川(やおちがわ)

—– 記事に登場する人物
松本零士(まつもとれいじ / 1938~)… 漫画家。福岡県生まれ。幼少期に新谷での疎開を体験。
楠本イネ(くすもといね / 1827~1903)… 日本初の女医。長崎県生まれ。シーボルトの娘。
楠本高子(くすもとたかこ / 1852~1938)… 楠本イネの娘、シーボルトの孫。メーテルのモデルになったとされる人物。
シーボルト(しーぼると / 1796~1866)… 医師・生物学者。蘭学者でもあるがドイツ人。長崎に鳴滝塾を設立して弟子の育成に努めたほか、娘・イネの父親となった。
二宮敬作(にのみやけいさく / 1804~1862)… 鳴滝塾における門下生。シーボルトが国外追放になった後、彼の娘であるイネを義育した。愛媛県生まれ。

 

新谷という街

999通り

電柱に吊り下げられた横断幕に “新谷 999通り” とあります。

新谷は大洲市東部に位置し、元々は大洲藩から分知された “新谷藩” として、明治の廃藩置県後は僅かな時期ながら “新谷県” が置かれた場所です。

 

新谷ゆかりの人物・松本零士氏

999通り

この街で戦時中、母の実家を頼って疎開していたのが漫画家の松本零士氏。

作品には 「宇宙戦艦ヤマト」 や 「銀河鉄道999」 等、宇宙を題材にした作品が多いことが特徴。

この場所で第二次世界大戦末期、零士少年が見たものは飛行機。
すなわち松山や瀬戸内海を越えて広島県沿岸に空襲に向かう、もしくは南洋に向けて帰還する米軍爆撃機の大編隊だった。
この「空飛ぶ乗り物」を見た体験は、その後の作品に大いに生かされたという。

ベンチに始発駅の記載

松本零士氏の代表作の一つに 「銀河鉄道999」がある。これは旧内子線・新谷駅を発着していた蒸気機関車と、前述の「空飛ぶ乗り物」が原案になっていると言われる。その両方が新谷での経験を元に後年描かれた作品だったことから、数年前から新谷の街では 「銀河鉄道999の始発駅」を名乗るようになりました。

朝、列車が発着する新谷駅

現在の新谷駅は松本零士氏が見た新谷駅とは異なり、国鉄末期に予讃線の短絡ルートとして移転開業したもの。
駅舎は無くプラットホーム上の建屋のみ、特急は通過。近隣、または新谷の学校に通学する生徒さんたちが主な利用者です。

 

作中のヒロインも愛媛ゆかりの人物?

メーテル通り

新谷駅から南に向かって延びる道が “999通り”
新谷市街地を東西に結ぶ道が “メーテル通り”
両者は矢落川を渡る新谷大橋付近で交わっています。

「メーテル」「ナターシャ」
それぞれ 「銀河鉄道999」「宇宙戦艦ヤマト」に登場するヒロインの女性ですが、そのモデルとされるのは “楠本高子” という、江戸から昭和にかけて実在した人物。
母の名前は “楠本イネ”、江戸時代後期に医師・蘭学者として日本で活躍したシーボルトの娘。つまり、楠本高子はシーボルトの孫娘にあたります。

帰国時に当時国外持ち出し禁制だった日本地図が発見されたことにより発生した “シーボルト事件” は、母・イネ二歳の時のこと。国外追放となったシーボルトに代わって、イネの義育を任されたのが二宮敬作。鳴滝塾の門下生であり伊豫國卯之町(現・西予市宇和町卯之町)で町医者を務める傍ら、イネを呼び寄せて教育にあたった。その後、楠本イネは日本人初の女医となった。

その娘でありメーテルのモデルになったとされる高子も、母の師・二宮敬作の縁で、13歳の時に長崎から伊豫に身を移し、宇和島藩に仕えた。

 

松本零士氏が伊予(愛媛県)ゆかりの人物だったことからヒロイン像として意識したかどうか。
それは彼のみが知るところですが、これら漫画二作に関しては愛媛要素が詰まっていると言えそうです。

※松本零士氏ゆかりの新谷小学校のお話は、以下リンクの記事に続きます。

銀河鉄道999の始発駅?特徴的な時計台を持つ小学校【新谷小学校[大洲市]】

 

【「新谷駅」 地図】

 

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野瀬 照山

八十八ヶ所案内人・先達であり、旅人をお迎えするゲストハウスそらうみを運営。 四国八十八ヶ所結願30回、うち歩き遍路12回。 四国六番安楽寺出家得度。四国八十八ヶ所霊場会公認先達。 高松市一宮町で「さぬき高松ゲストハウスそらうみ(http://www.sanuki-soraumi.jp/)」を運営。