【61番札所香園寺】不思議な様相の寺院建築に驚く

61番札所香園寺の境内に入ってみると本堂と大師堂が見当たらないことに驚愕。四国八十八ヶ所霊場の中で最も近代化された独特の様式に驚く。

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近代的たたずまいの寺院

ミニベロ遍路 香園寺建物

境内に大きくて茶色の近代的な建物がそびえる。

ミニベロ遍路の旅が始まってから20日ほどが経過した。毎日のように各地のお寺を巡り、その建築様式を眺めてきた。歴史をまとったそれらのたたずまいは、心の中にある懐かしさや古いものへの敬意の念のようなものを掘り起こしてくれるものがほとんどだった。

しかし、61番札所香園寺はその感覚をくつがえすような、今まで続けてきた四国八十八ヶ所霊場巡礼の寺院の中で最も驚かされた場所だった。
まず、寺院の境内に入っていつものように本堂と大師堂を探してみたが、ざっと見渡しただけではそれらがどこにも見つからないのだ。お寺の前にある香炉などを除き、今まで参拝してきた霊場のどこと比べてもその近代的な外観のたたずまいは私の目にすいぶんと不思議なものとして映った。
大きな建物があり、階段を上がったその建物の中をじっくりとよく見てまわる、仏像が祀られる本堂と大師堂が設置されていることがわかった。建物は大きくて茶色の近代的なもので、いわゆる伝統的なお寺とは一線を画す様相だ。
その中の本堂も今まで私が見たことがないような様式で、劇場のようなスタイルで祭壇に向いて椅子が整然と並んでいた。今までの自分の中にあった常識がくつがえされたことと、新しいスタイルの寺院を知ることができたことに、これはこれで面白い体験だと感じた。

例えば西洋にも1000年以上そのままの姿を保ったカテドラルや教会がある一方、特に都市部においては現代的なスタイルの教会も数多く存在する。そこにはそれぞれの事情や理由があり、時とともにこれらのものがその姿を変えていくことは、ある意味自然なことなのかもしれない。その他の古い建築様式の寺院のように昔のままの姿であり続けることによる価値も存在するし、かといって現代の人達に向けて新しい様式や手法で信仰を広めていくことも、現在を生きこの先も長く存続するために必要なことなのだろうなと感じた。

ミニベロ遍路 香園寺内部

巨大な仏像に向かって椅子が整然と並ぶ。

 

【61番札所】   栴檀山 教王院 香園寺(せんだんさん きょうおういん こうおんじ)
宗派: 真言宗御室派
本尊: 大日如来
真言: おん あびらうんけん ばざらだどばん
開基: 聖徳太子
住所: 愛媛県西条市小松町南川甲19
電話: 0898-72-3861

四国遍路巡礼に
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この記事を書いた人

兵庫県出身で、5歳の時に英国に移住し、2017年より京都を拠点に活動している。訪日外国人対象のツーリストガイド、大手インバウンド旅行会社の運営マネージャーなど、いろいろな観光サービスに従事し、すべての観光客が、本物の日本文化に触れ、特に美しい自然を体験してくれることを望む。