本堂で勤行を終えると、続けて弘法大師空海が祀られている大師堂に向かいます。大師堂でも本堂とほぼ共通の準備・勤行を行います。この記事ではお堂内での作法に関しても補足しています。
—– 記事に登場する主な地名・単語
大師堂(だいしどう)
読経(どっきょう)
菅笠(すげがさ)
大師堂での読経
□ 灯明
□ 線香
□ 納札
□ 賽銭 ※ 順不同
読経前の準備は本堂と同様です。
※準備に関しては、以下リンクの記事で詳しくご説明しています。
大師堂には弘法大師がまつられており、本堂と同様に読経でお経を納めます。
読経の順序
数珠を三回擦って
↓
合掌
↓
< 1 > 開経偈(かいぎょうげ)
無上甚深微妙法(むじょうじんじんみみょうほう)
百千万劫難遭遇(ひゃくせんまんごうなんそうぐう)
我今見聞得受持(がこんけんもんとくじゅじ)
願解如来真実義(がんげにょらいしんじつぎ)
↓
< 1 > 懺悔文(ざんげもん)
我昔所造諸悪業(がしゃくしょぞうしょあくごう)
皆由無始貪瞋癡(かいゆうむしとんじんち)
従身語意之所生(じゅうしんごいししょしょう)
一切我今皆懺悔(いっさいがこんかいさんげ)
↓
< 3 > 三帰(さんき)
弟子某甲(でしむこう)
盡未来際(じんみらいさい)
帰依仏(きえぶつ)
帰依法(きえほう)
帰依僧(きえそう)
↓
< 3 > 三竟(さんきょう)
弟子某甲 (でしむこう)
盡未来際 (じんみらいさい)
帰依仏竟 (きえぶっきょう)
帰依法竟 (きえほうきょう)
帰依僧竟 (きえそうきょう)
↓
< 3 > 十善戒(じゅうぜんかい)
不殺生(ふせっしょう)
不偸盗(ふちゅうとう)
不邪淫(ふじゃいん)
不妄語(ふもうご)
不綺語(ふきご)
不悪口(ふあっく)
不両舌(ふりょうぜつ)
不慳貪(ふけんどん)
不瞋恚(ふしんに)
不邪見(ふじゃけん)
↓
< 3 > 発菩提心真言(ほつぼだいしんしんごん)
おん ぼうじ しった ぼだはだやみ
↓
< 3 > 三摩耶戒真言(さんまやかいしんごん)
おん さんまや さとばん
↓
< 1 > 般若心経(はんにゃしんぎょう)
仏説摩訶般若波羅蜜多心経(ぶっせつまかはんにゃはらみたしんぎょう)
観自在菩薩(かんじざいぼさ)
行深般若波羅蜜多時(ぎょうじんはんにゃはらみたじ)
照見五蘊皆空(しょうけんごおんかいくう)
度一切苦厄(どいっさいくやく)
舎利子(しゃりし )
色不異空(しきふいくう)
空不異色(くうふいしき)
色即是空(しきそくぜくう)
空即是色(くうそくぜしき)
受想行識(じゅそうぎょうしき)
亦復如是(やくぶにょぜ)
舎利子(しゃりし)
是諸法空相(ぜしょほうくうそう)
不生不滅不垢不浄(ふしょうふめつふくふじょう)
不増不減(ふぞうふげん)
是故空中(ぜこくうちゅう)
無色無受想行識(むしきむじゅそうぎょうしき)
無眼耳鼻舌身意(むげんにびぜっしんに)
無色声香味触法(むしきしょうこうみそくほう)
無眼界乃至無意識界(むげんかいないしむいしきかい)
無無明亦無無明尽(むむみょうやくむむみょうじん)
乃至無老死(ないしむろうし)
亦無老死尽(やくむろうしじん)
無苦集滅道(むくしゅうめつどう)
無智亦無得(むちやくむとく)
以無所得故菩提薩捶(いむしょとくこぼだいさった)
依般若波羅蜜多故(えはんにゃはらみったこ)
心無罫凝(しんむけいげ)
無罫凝故(むけいげこ)
無有恐怖(むうくふ)
遠離一切顛倒夢想(おんりいっさいてんどうむそう)
究境涅槃(くぎょうねはん)
三世諸仏(さんぜしょぶつ)
依般若波羅蜜多故(えはんにゃはらみたこ)
得阿辱多羅三貌三菩提(とくあのくたらさんみゃくさんぼだい)
故知般若波羅蜜多(こちはんにゃはらみた)
是大神呪(ぜだいじんしゅ)
是大明呪(ぜだいみょうしゅ)
是無上呪(ぜむじょうしゅ)
是無等々呪(ぜむとうどうしゅ)
能除一切苦(のうじょいっさいく)
真実不虚(しんじつふこ)
故説般若波羅蜜多呪(こせつはんにゃはらみたしゅ)
即説呪曰(そくせつしゅうわつ)
羯諦羯諦(ぎゃていぎゃてい)
波羅羯諦(はらぎゃてい)
波羅僧羯諦(はらそぎゃてい)
菩提薩婆訶(ぼじそわか)
般若心経(はんにゃしんぎょう)
↓
< 3 > 光明真言(こうみょうしんごん)
おん あぼきゃ べいろしゃのう まかぼだら
まに はんどま じんばら はらはりたや うん
↓
< 3 > 大師宝号(だいしほうごう)
南無大師遍照金剛(なむだいしへんじょうこんごう)
↓
< 1 > 回向文(えこうもん)
願(ねが)わくは この功徳(くどく)を以(も)って 普(あまね)く一切(いっさい)に及(およ)ぼし
我等(われら)と衆生(しゅじょう)と皆共(みなとも)に 仏道(ぶつどう)を成(じょう)ぜん
↓
祈願(お願い事)
↓
数珠を三回擦って、
↓
合掌
本堂との相違点は、「本尊真言(ほんぞんしんごん)」 を唱えない点。まつられているのが、仏様ではなくお大師様(弘法大師・空海) だからです。
補足
帽子をかぶっている場合、参拝時は帽子は脱ぐようにしましょう。しかしながら菅笠に限っては、屋外参拝時であれば脱ぐ必要はありません。
83番札所一宮寺の大師堂のように屋内で読経を行う場合は、菅笠を含む頭にかぶっている物は全て取るようにしましょう。
帽子にも参拝用として五色の糸が縫い込まれているものがあり、「参拝時に脱帽しなくても良い」と販売されている場合があります。
個人的な想いとしては、帽子である以上読経時は脱帽された方が良いと考えます。その可否判断はご自身に委ねられるところですが、一般的には「参拝時は脱帽」が周知されているため、帽子をかぶったまま参拝していると他の参拝者・お遍路さんから「参拝時は帽子を脱いだ方が良いですよ」と告げられることがあるかもしれない、ということをご留意ください。
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※ 参拝の手順や解釈について、一般的な見解に基づき紹介しています。他にも様々な方法や解釈があることをご留意ください。
【遍路参拝作法その7】大師堂(室内)の作法に関しては、以下の動画もご参考ください。
※遍路参拝作法の次の手順に関しては、以下リンクの記事に続きます。
※すべての遍路参拝作法のまとめと動画出演者の情報は、以下リンクの記事に掲載しています。
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