【自転車遍路】気楽な自転車遍路のはじめ方[自転車選び編]

自転車で巡るお遍路旅には、まず何より自転車選びが大事になります。四国八十八ヶ所霊場を一度に全て回るのではなく、「部分的に」「短期間で」「気楽に」お遍路文化を楽しむ自転車旅の視点から自転車を選んでみました。

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「無理はしない」がモットーの自転車散歩

最初にお伝えしたいのは、四国八十八ヶ所のお気軽自転車旅を紹介する私自身が自転車の初心者であること。本格的に自転車の旅や長距離の移動をしてきたわけではないので、そこまでの経験と専門知識はない、というのが前提です。ただ、自転車で街をぶらついたり、風を感じて移動する気持ちの良さは知っている、というレベルの人間だと思ってください。

なので、この四国遍路情報サイト「四国遍路」で紹介するのは「自転車に乗って街を走ったり、時々郊外で自然を楽しむのが好き」レベルの人でも楽しめる遍路の旅の形です。自転車遍路も、四国八十八ヶ所霊場を通しで巡礼するのではなく、部分的に気になるエリアを短期間で楽しむスタイル。必要に応じて車や公共交通を使い、散歩のように旅を楽しみます。
「無理はしない」をモットーに、気軽なお遍路を楽しんでいただけたらと思っています。

ここでは、そんな遍路旅に興味があるという人のために、私の自転車旅の準備について紹介します。

 

自転車の選び方について

自転車旅なので、まずはどんな自転車で行くかを決めなくてはいけません。私は地元香川県の自転車メーカー(有)アイヴエモーションが提供するブランド「Tyrell(タイレル)」から選ぶと決めていました。

Tyrell http://www.tyrellbike.com/ja/

地元企業の製品を使いたいことと、Tyrellが走行性に定評のあるブランドであること。Tyrellの主力製品であるミニベロ(タイヤの小さな自転車)のスタイルが、気楽な自転車旅に適してると考えたからです。

タイレル ミニベロ

特徴的な形をしたTyrellのミニベロ(タイレルホームページより抜粋)。

 

ミニベロを選ぶ理由

ミニベロの特徴は、なんといってもそのコンパクトな形と軽さ、小回りの効く走行性です。折りたためるタイプも多いので、輪行(りんこう)バッグに入れて公共交通を使うこともできます。もちろん車にも乗せやすい。

ツーリングや長距離移動に適しているのは、ロードバイク型のスピードの出る自転車ですが、「近所を散歩するように気楽にお遍路文化を楽しむ」となると、そこまでのスピードと長距離移動は必要ありません。また目的地まで車や公共交通を使って移動することも多くなるので、持ち運びのしやすさも重要になってきます。

ミニベロは持ち運びのしやすさはもとより、漕ぎ出しも軽く、短距離〜中距離の移動が無理なくできる自転車です。気軽に始める自転車遍路にとって、堅実な選択肢なのではないでしょうか。

自転車の種類

主な自転車の種類と特徴。

それと個人的に思うのは、ミニベロは自転車旅の初心者にとって心理的な抵抗感が少ない、ということ。ピチッとしたバイクスーツを着て車道を颯爽と走るロードバイクは格好いいのですが、普段ママチャリを使うようなタイプの人にはちょっとハードルが高い・・・。乗りこなせるか不安だったり、女性だと身長が足りなくて乗れない、という人もいるかもしれません。

そんなふうに、本格的なツーリングスタイルには少し抵抗がある人でも、身長や体型をそれほど気にせず乗れて散策と走りの両方楽しめるミニベロは、自転車旅の入り口においてはベストな選択だと思っています。

 

選んだのはTyrell-IVE

Tyrellのミニベロには「折りたたみあり」と「折りたたみなし」の二種類があり、それぞれいくつかの選択肢(車種)があります。
そのなかで私は「IVE(イヴ)」という折りたたみ自転車を選択。

Tyrell IVE

Tyrell IVE–右が折りたたみ後(タイレルホームページより抜粋)。

四国八十八ヶ所霊場のお寺は交通の便が悪い場所にあることも少なくなく、バスや電車を使って自転車遍路をするのは難しい状況があります。そうすると必然的に車を使う場面が多くなってきます。

なので、今回自転車選びに一番求めたのは

「簡単にたためて、車にポイっと乗せられること」

私が選んだTyrell IVEは、Tyrellの折りたたみ自転車の中でも一番簡単にたためる自転車です。軽さと走行性でいえば他の車種が勝りますが、コンパクトさと折りたたみの簡易さについてはIVEが一番でした。

IVEの折りたたみ手順(動画) https://www.youtube.com/watch?v=fNiOLFocbbk

あとは何より「デザインが気に入った」のがいちばんの決め手かもしれません。

Tyrell IVE 車内収納

車の中に簡単に収まります。

Tyrell IVE 自立

後ろのタイアを折りたためば、それだけで自立してくれるIVE。

IVEの重量は11kg台でミニベロの中では平均的な重量です。同じTyrellの折りたたみ自転車「FX(エフエックス)」の重量は9kg前後で走行性もIVEより高いものになりますが、Tyrellはミニベロカテゴリーのレースで上位に入る「速いミニベロ」なので、Tyrell内の比較で劣るといっても、IVEはよく走る自転車の一つであるといえるでしょう。

Tyrell IVE メンテナンス

tyrellを製造しているアイヴエモーションの社員の方に、初期メンテナンスをしていただきました。

 

ポタリング遍路の記事

当サイト内のミニベロを使った遍路旅の記事は下記の通りです。四国八十八ヶ所霊場を一周したもの、1日の短期巡礼に挑んだものなどがあります。

ミニベロ四国八十八ヶ所巡礼

2020年の秋に30日間をかけて折りたたみ式のミニベロ(小径自転車)で実施した四国八十八ヶ所霊場巡礼の記録です。プロの観光ガイドが3人で行程を分担し、それぞれの独自の視点で自転車遍路の楽しみ方をレポートしています。

撫養街道(むやかいどう)自転車散歩

昭和初期までは関西から鳴門海峡を舟で渡って四国に上陸するお遍路さんが多くいました。四国の玄関口である撫養港(むやこう/現在の岡崎港)から阿波國の主要旧街道である撫養街道を通って1番札所霊山寺までを自転車でたどった記録です。

今治6ヶ寺めぐり-ポタリング編

四国八十八ヶ所霊場の6ヶ寺が集積する愛媛県今治市。近年は自転車の街ともいわれる今治の地で、1日自転車遍路に挑戦しました。札所の参拝だけではなく、寄り道しながら進む「ポタリング」スタイルです。

 

自転車散歩に必要な自転車選びとしてミニベロをお勧めしましたが、基本的なポイントはこの記事も参考にしてもらいつつ、あとは自分が好きになれて「乗りたい!」と思う自転車を選ぶのがいいと思います。好きな自転車と一緒なら、旅が何倍にも楽しくなるというもの。ぜひご自身がときめく自転車を用意して、四国遍路の旅にでかけてみてください。

四国遍路巡礼に
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この記事を書いた人

札幌で生まれ育ち、東京にて都市計画コンサルタントに従事。結婚を機に香川に移住し、地方自治体勤務などを経て現在に至る。お遍路文化を通じた新しい四国の楽しみ方を模索しています。日本酒とワインが好き。