通し歩き遍路の結願の鍵を握るといっても過言ではないと思うのが「靴選び」です。私の遍路旅を強力にサポートしてくれた「SALOMON(サロモン) XA PRO 3D」はトレイルランニングシューズで、歩き遍路にも最適でした。
通し歩き遍路には超重要な「靴選び」
通し歩き遍路を結願するには約1400kmの歩行が必要だといわれています。
方向感覚に自信がない方は道に迷いもっと長い距離を歩くかもしれませんし(迷い道での出会いも歩き遍路の醍醐味のひとつです)、遍路道は未舗装の悪路あり、山の登り下りあり、足への衝撃や日光の照り返しが無慈悲なアスファルト道路あり、ときには悪天候とも戦わなければいけないのです。
こんな困難な旅路をサポートしてくれる一番の相棒はもちろん「靴」です。
どのような靴を選ぶかによって、足への負担が違ってきますし、怪我や事故に対するリスクも変わります。
「靴選び」は、40日間前後をひたすら歩き続ける通し歩き遍路を無事結願する鍵を握るといっても過言ではないと思います。
私が遍路旅路で出会った歩き遍路さんの中には、何足も靴を履きつぶして都度買い替えている人、足裏がマメだらけになって歩くペースが著しく遅くなった人、山道で転倒して怪我をした人、足の筋肉痛でしばらく休養中の人、いろいろなトラブルに遭遇した人達がいました。
私自身も「シンスプリング」の症状(自己診断)にみまわれ、かなり苦しいおもいをしながら歩いた期間・区間もありましたが、比較的トラブルが少なく怪我もなく(マメはひとつもできませんでした)歩き通すことができました。
私が無事結願を果たせたのは、強力にサポートしてくれた優秀靴「SALOMON(サロモン) XA PRO 3D」のおかげだと思っています。
ということで、皆さんの靴選びの参考になればと、この靴を紹介しようと思います。
ただし、靴は人それぞれ合う合わないがありますので、しっかりフィッティングをして選ぶ、長距離歩行の前に試し歩きをしたり足慣らしをしておくことをオススメします。
私は以下写真の同じシリーズの2足を使い分けました。
※写真は遍路結願後に撮影しましたので、汚れや擦り減り具合から、苦難の遍路道を感じていただければと思います。
フランスの老舗ウィンタースポーツメーカー「SALOMON(サロモン)」
まず今回紹介する靴を製造しているスポーツメーカー「SALOMON(サロモン)」のご紹介を少し。
1947年にフランスでスキーエッジの製造から始まったブランドで、スキーのビンディングやブーツで有名になり、現在では高性能なアウトドアギア全般へと展開を広げ、洗練されたデザインでタウンシーンでも人気が出てきています。
私はハイキング程度の山登りを時々しますが、山に行くとSALOMONのウェアやグッズを身に着けている人が増えてきたように感じますし、最近流行りの「トレイルランニング」シーンでは特に認知が広がっているように思います。
SALOMON 公式ホームページ: http://www.salomon.co.jp/
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靴紐を結ぶことなく簡単にしっかりホールドと抜群のフィット感
そんなSALOMONの「XA PRO 3D」シリーズは、クロスカントリーシーンをベースにした高機能アウトドアシューズでありながら、軽さとフィット感重視でランニングシーンにも対応し、デザインはカジュアル感があるので、タウンシーンにも映える万能シューズです。
ちなみに「XA」は「クロスアドベンチャー」の略語とのこと。
SALOMONのシューズ全般の代名詞ともいえる特徴が「靴紐を結ばない」ことです。
「QUICKLACE(クイックレース)」というコードで、ワンタッチで絞めたり緩めたりできて、足にフィットしてその持続がすばらしいです。
このコードのホールド力をさらに高めているのが、シューズ側面の波型のデザイン。
これは見た目の美しさだけかと思いきや、足の甲側と靴底の一体感をつくって、足全体を包み込むようにサポートしてくれる「SENSIFIT(センシフィット)」という機能。
足に吸い付くようなフィット感を感じることができ、とても安心感があります。
私はなるべく足をがっちり固定した方がよいかと思い、遍路序盤はコードを過剰なぐらい引っ張って強く締め付けていたのですが、足の血行を考えると緩いかなと思うぐらいで十分だと思い、中盤からはコードは締め付けないようにしました。
そう思ったのは「シンスプリント」と思われる脛から足の甲にかけての炎症が起きてきたからです。
※「シンスプリント」に関しては、以下記事もあわせてご覧ください。
【シンスプリント(脛骨過労性骨膜炎)】歩き遍路を苦しめる脛の痛みの原因は?
ちなみに「XA PRO 3D」は爪先部分が比較的幅広設計になっていて、足の指を締め付けないので、この点は血行を妨げない意味でとてもよいところですし、楽に気持ちよく履けると思います。
また、足裏のマメ発生の原因は靴や靴下がずれたり擦れたりすることですが、「SENSIFIT(センシフィット)」の機能で十分フィット感があり、私はマメがひとつもできなかったので、過剰な締め付けは必要ないと思います。
※私が使用していた靴下に関しては、以下記事もあわせてご覧ください。
【CARAVAN(キャラバン) RLドラロン® マダラックス】足裏のマメ発生から守ってくれた優秀靴下
さらにこの「XA PRO 3D」はくるぶし下でおさまるローカット設計なのですが、わたし的には通し歩きをする人には、足首をおおうハイカットシューズよりもローカットシューズの方がオススメです。
未舗装で足元が不安定な山道などはハイカットの方が安心感があるかもしれませんが、全体道程を考えると圧倒的に舗装路を歩く距離の方が長いので、なるべく軽く足首もフリーにしておいた方が歩きやすく、疲労の蓄積も軽減できると思います。
とはいえ、未舗装路での安全性は確保しなければいけないのですが、そこのバランスがとれているのが「XA PRO 3D」のよいところ。
それは以下に話が続きますので、もう少しお付き合いください。
爪先と靴底はがっちり安全設計で負担・リスク軽減
未舗装路で安全を確保するのに必須要素は「爪先ガード」と「靴底グリップ」だと思います。
まず爪先に関しては、石や岩、木の根・枝にぶつけて痛めるリスクがあるので、固くガードされていることが必須です。
靴底に関しては、未舗装の凸凹道や悪天候のぬかるみでも滑らないグリップ力と、舗装路ではアスファルトの衝撃から足を守るクッション性もあることが歩き遍路に適していると思います。
軽さや歩きやすさを考えるといわゆる「ランニングシューズ」や「スニーカー」でもいいように思いますが、特に未舗装路の安全性を確保するためには上記要素を満たしているシューズが必須だと思います。
かといって、あまりにごついシューズは長距離を複数日数歩き続ける疲労感の面を考慮するとオススメしません。
「通気性・フィット感」と「防水」のそれぞれの特徴を使い分ける
私はアッパーがメッシュ素材で通気性とフィット感重視の「XA PRO 3D」と、アッパーに透湿防水高機能素材「GORE-TEX®」を使用した「XA PRO 3D GTX」の2足を使い分けました。
上記写真を見ていただくと、シュータン部分がアッパーと一体化していますが、この仕様もフィット感を高めたり、「GTX」では防水性を担保する「ENDOFIT(エンドフィット)」という機能とのこと。
靴への負担や擦り減りも考慮して、私がベストだと思うのはこの2タイプ(2足)を、その日の天候や歩行ルートに合わせて使い分けることですが、2足持参は荷物負担が高まりますので、1足でという場合は、歩く季節(一番重要なのは雨が多いか少ないかのように思います)によって選択するとよいと思います。
雨が少ない季節、また雨の浸水リスクはある程度我慢する(靴下の替えやシューカバーで対策など)ということであればメッシュモデルの「XA PRO 3D 」の方がオススメです。
かくいう私は1足持参で、安心感担保のため「XA PRO 3D GTX」を選択し30日ほど歩き続け、想定外に雨の日が少なかったことと、靴交換をしやすいポイントにたどり着いたタイミングで「XA PRO 3D」に変更しました。
通し歩き遍路結願のために「靴選び」は重要ポイントです。
私にとっては「SALOMON(サロモン) XA PRO 3D」はベストな選択だったと思いご紹介しました。
靴はその人に合う合わないがありますが、選択の参考になればと思います。
シューズの詳細情報のリンクもはっておきます。