【吉良川重要伝統的建造物群保存地区】老舗パン屋「徳屋」のふかふか食パン

室戸市の吉良川町は、良質な薪と備長炭の積み出し港として栄えた町で、土佐特有の水切瓦が見られる古い町並みを残しています。地元で有名な老舗のパン屋さんもあり、ちょっとした買い物と散策が楽しめる場所です。

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水切瓦が特徴的な吉良川の街並み

26番札所金剛頂寺(こんごうちょうじ)27番札所神峯寺(こうのみねじ)の間に位置する室戸市吉良川(きらがわ)町は、山で産出された薪と「土佐備長炭」と呼ばれる良質の炭を船に載せる積み出し港として栄えた町です。今でも当時の繁栄を感じさせる、特徴的な古い街並みが残っています。

遍路ルートである国道55号線のすぐ隣を平行しているので、遍路道として歩く人も多いかと思います。
当サイトでも以下リンクの別記事で紹介しています。

【吉良川の町並み】備長炭の生産で栄えたまちは重要伝統的建造物群保存地区

吉良川の町並み(坂)

ゆるやかな坂から海側を見た景色です。

この街並みの特徴は、土佐漆喰を使った白い壁と「水切り瓦」と呼ばれる強い雨風から建物を守るために施された壁の工夫です。水切り瓦は、漆喰の壁に直接雨風があたるのを防ぐためのもので、台風が多い土佐特有のものです。写真でもわかるように何段もの水切り瓦が壁に設置されています。

吉良川の町並み 水切り瓦

水切り瓦となまこ壁(壁の目地を漆喰で格子状に塗り盛った壁)。どちらも防水の役割がある。

 

浜や河原にある丸い石を使った「石ぐろ」と呼ばれる壁も、吉良川の景観の特徴のひとつです。

吉良川の町並み 石ぐろ

丸い石を半分に割って並べたような壁が「石ぐろ」。

 

炭焼き技術の発展とお遍路さん

「土佐備長炭」の産地として有名になった高知県ですが、元をたどれば和歌山から来たお遍路さんが炭焼き技術を伝えたことが出発点なのだそう。どちらも良質な木材が採れる場所であることと、紀伊水道を通じてすぐ隣り合っていることなども、技術の伝承に影響したのかもしれません。

炭焼き技術の伝承

お遍路さんが伝えた炭の技術(イメージ)。

炭焼きの他に高知で盛んだった古式捕鯨の技術も和歌山から伝わったとされており、土佐と紀伊の産業技術のつながりは思いの外深いもののようです。

参照:JAFMate「おくに自慢navi」吉良川町並み保存会 細木敏美さんのお話 http://jafmate.jp/jmp/okuni_boast/201501/006.html

 

地元のパン屋さんが営業中

吉良川の町並みの中には店舗やカフェの類は少ないように感じました(古民家を活用した遍路宿兼カフェがあったのですが、残念ながら定休日)。そんななか見つけたのが、「徳屋」という地元のパン屋さんです。

吉良川の町並み ベーカリー徳屋

パンの焼ける良い香りが漂っています。

中を覗くと、長さ60cm以上ありそうな大きい角食パンがたくさん並べられていました。

吉良川の町並み ベーカリー徳屋 食パン

焼きたてのパンが扇風機で冷やされています。

ここのパンは地元でも有名なようで、他で立ち寄った道の駅でも販売しているのを見かけました。菓子パンの類も作っていますが、訪れた時間が遅く扱っていないようでした。焼きたての食パンが美味しそうだったので、熱を冷ましている最中の食パンを私は購入させていただきました。

買ったパンは温かいうちに味見しましたが、雑穀のようなつぶつぶが入ったやわらかくて美味しいパンでした。徳屋さんのパンは道の駅の他、徳屋さんの向かい側にある商店でも購入できるそうです。

 

吉良川の町並みはコンパクトにまとまっており歩き遍路のルートでもあるので、遍路途中でも無理なく立ち寄ることができます。休憩施設も充実しているので、休みがてら散策してみると楽しいと思います。今回伺うことはできませんでしたが、古民家を改造した遍路宿やゲストハウスなどもあるので、宿泊先の候補として調べてみてはいかがでしょうか。

 

店名:  徳屋(とくや)
営業時間: 8:00~18:30
定休日: 日曜
住所: 高知県室戸市吉良川町甲2284
電話: 0887-25-2134

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この記事を書いた人

札幌で生まれ育ち、東京にて都市計画コンサルタントに従事。結婚を機に香川に移住し、地方自治体勤務などを経て現在に至る。お遍路文化を通じた新しい四国の楽しみ方を模索しています。日本酒とワインが好き。