【86番札所志度寺】海沿いの自然体で野生的な雰囲気の境内

四国八十八ヶ所霊場のなかでもとても印象に残った寺院のひとつである86番札所志度寺。自然体で野生的なお寺には不思議なご縁があった。

スポンサーリンク

 

独特な印象が残る志度寺

ミニベロ遍路 志度寺仁王門

志度寺の仁王門

85番札所志度寺はミニベロ遍路の中でも強く思い出に残っているお寺かもしれない。

まず山門には仁王像と同じくらい大きい草履。それだけでもインパクト抜群の外観。長く旅をしてきたお遍路さんにとってもこれまで訪れてきた他のお寺とも違う雰囲気をきっと感じるはずだ。そもそもここまで到達しただけでも感慨深い気持ちになる。
山門を抜けると太陽の光が遮られる程の木々がひしめき合っている。長い時間をかけてできた自然の木々のトンネル。自然を自然のままに生かしているような野生的アプローチ。

今回の参拝前には「とても雰囲気の良さそうなお寺だ」という印象で初めて来たつもりだったが、門を抜けるとどこか懐かしい気持ちになる。それもそのはず、2年前に両親と一緒にここに来たことを思い出した。その時にはどこか怖いというか、畏怖の感覚というか、そんな類の気持ちになったのを今でも鮮明に覚えている。後々知ったことだが、志度は昔は「死渡道場」という名がついており、死者供養のお寺としての由来を持つ。以前訪問した時にはお遍路の存在を一切知らずここに来た。

そして今回、2年前と変わらず木や植物が生い茂っている境内の様子はそのまま。なんともミステリアスな雰囲気はあの時のままだった。
お遍路さんとして長い道のりを経て到達した2回目の今回と、観光の気持ちで訪れた前回、自分自身の環境や気持ちの変化でお寺そのものの印象が変わる。こういった感覚は、四国遍路を何度もする人にとっても同じなのかもしれない。同じ場所でも違う印象になる。そういった感覚を得るのも四国遍路の醍醐味なのかもしれない。

最後に五重塔の写真を撮ろうとしたが、木々が生い茂っていて壁のようだった。はっきりと塔が映るような写真が撮れないのがこの野生的なお寺を物語っている。私と同じ気持ちになった人はきっと他にもいるはず。そんな気持ちになりながら次のお寺を目指す。

ミニベロ遍路 志度寺境内その1

森のような境内の中

ミニベロ遍路 志度寺境内その2

自然の中そのままの境内

ミニベロ遍路 志度寺五重塔

木々の生命力そのままに。写真は塔の上部だけが見える。

 

【86番札所】  補陀洛山 志度寺(ふだらくさん しどじ)
宗派: 真言宗善通寺派
本尊: 十一面観世音菩薩
真言: おん まか きゃろにきゃ そわか
開基: 藤原不比等
住所: 香川県さぬき市志度1102
電話: 087-894-0086

四国遍路巡礼に
おすすめの納経帳

千年帳販売サイトバナー 千年帳販売サイトバナー

この記事を書いた人

兵庫県出身で、5歳の時に英国に移住し、2017年より京都を拠点に活動している。訪日外国人対象のツーリストガイド、大手インバウンド旅行会社の運営マネージャーなど、いろいろな観光サービスに従事し、すべての観光客が、本物の日本文化に触れ、特に美しい自然を体験してくれることを望む。