【75番札所善通寺】弘法大師空海の生まれ故郷の薬師如来像にひきつけられる

75番札所善通寺への到着は少し遅く、ちょうど日が暮れてきてたときだった。境内に入るなり感じた強いパワーのようなもの、これまでにないほどに惹きつけられた薬師如来像、善通寺で感じたものはやはり何か特別なものだった。

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善通寺の金堂

ミニベロ遍路 善通寺金堂・五重塔

左:善通寺の金堂 右:善通寺を代表する五重塔

75番札所善通寺についた瞬間に、言葉では表せない種類の、何だか強いパワーのようなものを感じた。善通寺の歴史について事前に深い知識は持っていなかったが、その状態で東院に位置する金堂から参拝を始めた。本堂はもともと1558年に創建され、その後一度焼失したのち1699年に再建された。参拝後にその歴史について詳しく調べてみると、善通寺は日本と仏教の歴史の中で最も重要なお寺の一つであることがよくわかった。私がこれまで毎日のように祈ってきた弘法大師空海が生まれた地であると恥ずかしながらその時に知った。
しかし、そのことを知らずに境内へ足を踏み入れた私が特別なものを感じたのは、やはりこの地には何か言葉では表せないチカラが働いているのだろう。そんな地の本堂がまとう歴史に裏打ちされた荘厳な雰囲気を醸し出していた。
本尊は檜材で仕上げられた3メートルの高さの薬師如来。とても優しい表情を持つその仏像が目に飛び込んできた瞬間、心が突き動かされ大きな感動に包まれた。その後いったん外に出たものの、その感動が強く後ろ髪を引き、一通りの参拝を終えたのちにも、もう一度もう一度、と結局金堂へ数回戻りそのお顔をなんども見つめてしまった。これほどまでに薬師如来像に惹きつけられた事実は、とても不思議な印象深い体験となった。

 

ミニ八十八ヶ所巡礼

ミニベロ遍路 善通寺ミニ八十八ヶ所

弘法大師像とその下に配置されている88体の石仏。四国霊場全てのお寺の砂が納められている。

金堂が位置する東院と大師堂の位置する西院との間に観智院という小さなお寺があり弘法大使像がある。こちらの弘法大師像は空海生誕1100年記念を祝うために1934年に建立されたものだが、像の周りに88個の石仏が置いてあり、四国八十八ヶ所霊場のお寺それぞれの砂が納められている。像の周りを一周すると、八十八ヶ所巡りをしたという設定になっていて、時間的もしくは体力的余裕がない人々に対してもお遍路巡礼を行うことができるよう開かれた優しい仕掛けとなっている。
夕暮れ時の空を背景にした弘法大使像は立派にたたずみ、とても優しい表情で私を見つめていた。ここまでの道のり、安全に案内してくださってありがとうございます、自然と両手が合わさり、これまでの道中を無事過ごせたことのお礼を心の中で伝えた。

 

【75番札所】  五岳山 誕生院 善通寺(ごがくざん たんじょういん ぜんつうじ)
宗派: 真言宗善通寺派
本尊: 薬師如来
真言: おん ころころ せんだり まとうぎ そわか
開基: 弘法大師
住所: 香川県善通寺市善通寺町3-3-1
電話: 0877-62-0111

四国遍路巡礼に
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この記事を書いた人

兵庫県出身で、5歳の時に英国に移住し、2017年より京都を拠点に活動している。訪日外国人対象のツーリストガイド、大手インバウンド旅行会社の運営マネージャーなど、いろいろな観光サービスに従事し、すべての観光客が、本物の日本文化に触れ、特に美しい自然を体験してくれることを望む。